住宅を建てる際、「基礎の高さ」は重要な要素のひとつです。
そのため、建物の安定性や耐久性を確保するためには、適切な基礎の高さを把握しておくことが欠かせません。
本記事では、住宅の基礎の高さについて詳しく解説していきます。
また、一般的に「基礎の高い家の方が良い」と言われている理由もお伝えしますので、基礎の高さで悩まれている方は、ぜひ参考にしてください。
□住宅の基礎の高さは何cm?
建築において、基礎は建物の安定性と耐久性を確保するために欠かせない、重要な要素のひとつです。
その中でも、住宅建築においてよく用いられる「べた基礎」の高さについて、建築基準法施行令第38条に基づいた規定をもとに、詳しく見ていきましょう。
鉄筋コンクリート造の場合、基礎の高さについては、地盤の許容応力度が70KN/㎡以上かつ、「密実な砂質地盤その他著しい不同沈下等の生じる恐れのない地盤」で、基礎に損傷を生じる恐れがない場合、無筋の基礎が認められています。
この場合、特に地盤の状況を詳細に調査し、適切な設計をすることが求められています。
一方で、木造建築物の場合は、「立ち上がり」と呼ばれる部分を設けることが要件とされています。
立ち上がり部分の高さは、地上部分で30cm以上、厚さは12cm以上と規定されています。
また、基礎の底盤の厚さも12cm以上とする必要があります。
さらに、べた基礎の場合は、根入れ深さにも留意する必要があります。
建築基準法施行令では、根入れ深さは原則12cm以上とされていて、凍結深度よりも深い設計が求められます。
特に寒冷地では、凍結深度に注意しながら適切な根入れ深さを設定することが重要です。
住宅建築においてはべた基礎が主流であるため、建築基準法施行令第38条の規定に基づいて、基礎の高さを適切に設計することが不可欠です。
地盤の状況や地域の気候条件に応じて適切な基礎の高さを決定し、建物の安定性と耐久性を確保してください。
□基礎が高い住宅を選ぶメリットについて解説します!
*湿気や水害に強い
高い基礎は建物を地面から離し、浸水リスクを低減してくれます。
特に地下室の保護において効果的で、洪水や大雨による浸水を防ぐことが可能になるのです。
また、高い基礎により建物の下部が通気性の高い空間となり、湿気のこもりにくい環境を実現します。
これにより、湿気によるカビや腐食のリスクを軽減し、建物の耐久性を向上できるのです。
*ネズミや害虫への対策
日本の建築物の多くは木造であるため、ネズミや害虫が住宅構造を食べてしまい、それが劣化の直接的な原因と繋がってしまうことがあります。
そこで、住宅の基礎を高くすることで、ネズミや害虫が巣を作りにくくなり、繁殖を防止できるのです。
これにより、建物内での害虫の数やネズミの存在が減少し、害獣・害虫にとっての居住性の低下につながります。
*開放感とデザインの融合
基礎が高いことは、建物の外観やデザインにも影響を与えます。
適切な高さの基礎を設けることで、建物全体のプロポーションを美しく保ちつつ、開放感を演出できるのです。
また、高い基礎の下にあるスペースを活用して、庭やエントランスを配置することで、快適な居住空間と見た目の魅力を両立させることが可能です。
□まとめ
安心で快適な住まいを実現するために、基礎の高さは重要な要素となります。
適切な基礎の高さを確保することで、住宅の安定性と耐久性を確保し、また外部からの影響にも強い住宅を実現できます。
そのため、地盤の状況や建物の用途を考慮し、当社のような建築のプロの意見も参考にしながら、最適な基礎の高さを決定しましょう。