四季のある日本において問題になっている、ヒートショック。
ヒートショックとは、冬季に特に問題となる急激な温度変化による健康リスクです。
高齢者を中心に、家庭内で発生してしまう危険性の高い現象です。
この記事では、ヒートショックが発生するメカニズムと、家づくりにおける予防策を解説します。
□ヒートショックとは?
ヒートショックとは、急激な温度変化が体に及ぼす影響のことです。
例えば、寒い居間から暖かい浴室へ移動する際、体は急激な温度差に反応し、血圧が大きく変動します。
特に高齢者はこの変動に対応しきれず、心臓や脳に大きな負担をかけてしまうのです。
急激な血液変化によって亡くなってしまう方も少なくなく、家づくりにおいて重視すべきポイントとなっています。
*データに基づくリスクの説明
厚生労働省のデータによると、家庭の浴槽内で溺死した高齢者は年々増加しています。
これは、ヒートショックによる事故の一例です。
実際に、東京23区でのデータでも、冬季の死亡者数が多く、その多くが高齢者です。
*原因と対策
ヒートショックの主な原因は、急激な温度変化による血圧の変動です。
これを防ぐには、家全体の温度差を小さく保つことが重要です。
特に脱衣所や浴室など、寒暖差が生じやすい場所の暖房を適切に行い、お湯の温度を過度に高く設定しないことも大切ですよ。
□家づくりの際のヒートショック対策
ヒートショックを防ぐためには、家づくりの段階で対策を講じることが効果的です。
以下の3つのポイントを意識して家づくりを進めることで、ヒートショックの予防につながりますよ。
1:浴室暖房乾燥機の設置
浴室の暖房は、ヒートショック防止のために非常に重要です。
暖房乾燥機の設置によって、浴室全体を暖め、温度差を減らせます。
2:高気密・高断熱の住宅
家全体の気密性と断熱性を高めることで、家全体の温度差を減らせます。
暖房器具の設置場所や運用コストも削減できるため、一石二鳥といえますよね。
3:窓の断熱性を高める
窓は熱が逃げやすい部分です。
高断熱の窓材、例えば木製サッシや複層ガラスを使用することで、室内温度を安定させ、ヒートショックを予防できます。
□まとめ
健康意識の高い家づくりでは、ヒートショックのリスクを理解し、それに対応する設計を心掛けることが重要です。
浴室暖房、高気密・高断熱住宅、窓の断熱性向上など、具体的な対策を講じることで、安全で快適な住環境を提供できますよ。