現代社会では、省エネルギーと自然災害への備えが重要なテーマとなっています。
特に住宅においては、この両方に対応できるソリューションが求められています。
そこで注目されるのが「ZEH(ゼロエネルギー住宅)」です。
この記事では、ZEHの基本概念と省エネメリット、さらには太陽光発電やエコキュートとの組み合わせによる、地震や台風などの自然災害時における対応策について解説していきます。
□ZEHとは何か?省エネ住宅の基本を理解する
「省エネ住宅」とは、国の定める「省エネ基準」を満たす住宅のことを指します。
ここでのポイントは、地球に優しい住まいづくりと断熱性能や太陽光発電設備の利用です。
省エネ基準には、外皮性能基準と一次エネルギー消費量基準の2つがあります。
1:外皮性能基準
屋根や外壁などの断熱性能に関する基準です。
この基準を満たすことで、住宅の断熱性能が向上し、暖房や冷房によるエネルギー消費を削減できます。
日本は気候の違いにより8つの地域に分けられ、地域ごとに異なる基準値が設定されています。
2:一次エネルギー消費量基準
ここでいう「一次エネルギー」とは、石油や石炭、天然ガスなどのエネルギーを指すものです。
家庭で使用されるエアコンや照明などは「二次エネルギー」とされています。
一次エネルギー消費量基準を設定することで、省エネ効果が明確になります。
そして、省エネ住宅のさらなる進化形が「ZEH」です。
ZEHは、高い断熱性能と省エネ設備による消費エネルギーの削減(省エネ)と、太陽光発電をはじめとする、再生可能エネルギーによるエネルギーの創出(創エネ)を実現し、年間エネルギー収支をゼロまたはマイナスにする住宅です。
□ZEH住宅が地震や台風などの災害にも強い理由!太陽光発電とエコキュート
ZEH住宅は、年間の一次エネルギー消費を大幅に削減するだけでなく、災害時の対策にも優れています。
ここでは、太陽光発電システムや蓄電池、エコキュートを中心に、その理由を探っていきましょう。
*太陽光発電システムと蓄電池
太陽光発電システムは、日中に電力を生成し、蓄電池を併用することで、夜間も電力を供給することが可能です。
災害時、特に地震発生後、自立運転モードに切り替えることで、冷蔵庫やテレビなどの必要最低限の家電を動かせます。
ただし、太陽光発電だけではすべての家電を動かすことはできず、あくまで短期間の非常用電源としての機能に留まります。
*エコキュート
エコキュートは通常、深夜の安い電力を利用してお湯を沸かし、翌日用に蓄えます。
災害時、エコキュートに蓄えられた水は飲料水やトイレ用水として利用できるため、断水時にも対応できます。
ただし、エコキュートに貯められる水量には限りがあり、長期の使用には適していません。
□まとめ
この記事では、ZEH住宅の基本概念とその省エネメリット、さらに地震や台風などの自然災害時における対応策について解説しました。
ZEH住宅は、高い断熱性能と省エネ設備でエネルギー消費を削減するだけでなく、太陽光発電システムや蓄電池、エコキュートを利用して災害時の電力供給や水の確保を可能にします。
これらの特徴により、ZEH住宅は環境に優しく、かつ災害にも強い住まいの形として注目されているのです。